事件 その2

陸海空と…

休みと言えば海、カヤックをするか潜るか波乗りするか釣りをするかと水曜日から考え出す(ちなみに月、火曜日は日曜日の余韻に浸っている)
「刑事」は海がわたしと同じで大好きだ、ザブザブと入って何やらガラクタなんかを拾ってくるしペリカンなんかとも戦っている、浜辺の涼しい所に寝っ転がってフンフン鼻歌なんか歌いながら上機嫌に昼寝をしてたりもする。
しかしそんな海の好きな刑事にも嫌いなジャンルがある、それは船釣り、だ。
いや、本人はそんなに嫌いじゃないのかもしれないけれどもわたしにはどうなるかわかっている。 そう、船酔いするの。
わたし以上に乗り物好きの「刑事」は最初ははしゃぎまわっているけれども1時間もするともうグッタリだ…。
車も同じで最初は嬉しがって右に、左にと珍しいものを見つけては窓をヨダレでベタベタにして行く。 で、しばらくするとグッタリしてきてうげぇ〜である。 おいおい!動かずに前だけ見とけ!なんて言ったって聞くわけが無い、犬なんだから…
今でこそわたしも慣れて「しょうがないな〜、じゃあ30分休憩だ!」なんて言って車の外に出てボ〜っと時間を過ごしているが最初に乗り物酔いをした時はあせった、その時の話を少し…
アメリカでは日本と違って小型機が発達している… まぁアメリカに居る人でも縁の無い人は全く無いけれども免許を持っていて自分で飛行機を持っている人は結構いるの。
ある日、そのちょっとだけブルジョワの入った友人達数人と、南のある島に行こう!となって2機の小型機に6人と1匹が乗り込みいざ離陸!
海に出ると友人は失速とか色々な事をしてみせてくれる、刑事も私も自由な空を満喫していた。と、「刑事」が急にグッタリしてきたではないか!
「ちょ、ちょっと! 刑事の様子がおかしいの! お、降りて! はやく!」
友人に無茶を言って一番近くの空港に向かってもらう… 最低でも20分かかるなどと言われながら泣き出す私の横に丸まっている「刑事」はおもむろに吐いた。
1時間後、Drの前に横たわる「刑事」と落胆する私… Drは…
「どこも悪くないみたいだよ、乗り物酔いでしょう。 クスリいる? 効かないからいらないでしょ?」
「は? 乗り物酔い? 刑事も… 犬も乗り物に酔うの?」
「酔うよ、今までないの?」
ガガーン!、ただの乗り物酔い! ふざけるな刑事! 泣いて損した… 犬の分際で… 仕事中の分際で乗り物酔いなんかするな〜! あれ?背中の方に痛い視線を感じる… うわ!休みの予定で飛行機に乗っていたみんなが! ご、ご免みんな、晩御飯は私が払いますぅ…
犬を飼うとお金かかりますね… 陸海空と全ての乗り物に酔う刑事でした。


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